貴女は20万円で豊胸術を受ける勇気はありますか。 最近、一般医療では高くなっていく医療費が問題になりますが、美容医療の領域ではこれと全く逆の「医療費の価格破壊」が進んでいるのです。医師である私からみると、時代の物価相応に医療費は高くなっていくものだと考えています。ひとつの医療行為のなかには、医師、看護師、コメディカル、その医療を可能にするための医療機器などさまざまなものが必要になってきます。さらに最近では医療過誤を防止するためにさらなる人材教育、医療過誤を未然に防止するための何重ものチェックシステムの構築など、時代が進むにつれて医療費が高くなるのはある意味、いたしかたないことかもしれません。ただ、そんな中でなぜ美容医療の領域だけ、医療費の価格破壊が進んでいるのでしょうか。 豊胸術が20万円??? 二重は1万円・・・ とあるクリニックでは、豊胸術が約20万円、ご丁寧に医療業界では聞きなれぬ「○○年間保証制度」までついているのです。私からすると、そんな保証までつけなければならないほどいいかげんな手術をしているのかと疑いたくなります。インプラントだけでも質の高いものを選べば原価で最低10万〜20万円はするのですから。どういうトリックを使えばこんな医療費を設定できるのでしょうか。 二重の手術はとうとう1万円ときましたか・・・。ブランドメーカーのハンドバッグが何十万円もする時代、二重の手術は道端で売られている怪しげなアクセサリー以下の値段なのですね・・・。私なら自分の手術をそこまで安売りすることなど到底できません。きっとそんな医師は自分の技術に対するプライドなんてないのでしょう。あるいはプライドを持てるだけの技術すら持ち合わせていないかのどちらかなのでしょう。 ちなみに、虫垂炎いわゆる「盲腸」の手術では、どのくらいの費用がかかるかご存知ですか。保険点数換算で入院費を含め40万円くらいです。もちろん患者負担は健康保険で3割負担だと12〜3万円というところでしょう。高額医療費としてさらに払い戻されることもあります。しかし、ここで間違ってはいけないのは診療費としては40万円かかっているということです。これを自由診療で考えるとどうでしょう。この費用とは別に広告看板費用、クリニックを清潔に保つための修理・メインテナンス費用、良い医師を雇うためのさらなる人件費、最新の医療機械の導入費用がさらに上乗せされるわけです。つまり国家の補助が全くない完全自由診療で考えると「盲腸」の手術でも100万円以上になると考えられます。いえ、サービス、安全性を向上させようとすると、現在の日本の物価水準では100万円ではとうてい抑えられないでしょう。事実ニューヨークでは「盲腸」の手術は250万円以上必要です。どうですか、たかが「盲腸」されど「盲腸」と考えさせられるような金額ではないでしょうか。 こういった医療事情があるにもかかわらず、美容医療産業では医療費の価格破壊が進んでいます。この価格破壊は間違いなく「安全な医療サービス」を犠牲にしなければ成り立ちません。医師の質からはじまり、すべての質を落とした結果が美容医療費の価格破壊の実態なのです。みなさんはどうお考えになりますか?しかしまだこれはほんの序章「プロローグ」に過ぎないと考えています。今後ますます美容医療費の価格破壊はとどまるところを知らず、エスカレートしていくことでしょう。医療の質や安全性を犠牲にしながら・・・。私は美容医療だからこそ、必要十分以上の安全性が求められると考えてきましたし、今後もルネッサンス美容外科では、安全性とサービスの質に関して最善の安全性を考え美容医療を行っていきます。その結果として、当然治療費が高くなることもあると思います。しかし手術には常に可能な限りの安全策を講じる必要があると私は考えます。つまり医療の安全対策は常に「最善」でなければ意味がないのです。 「最善か、無か。」
「医療に妥協など許されない、医療とはその時代における最高の技術と素材を駆使して行われるべきものである。」 えっ? もし私が女性の立場だったら、20万円の豊胸術に興味を持つんじゃないかですって? 私にはそんな勇気はありませんね。誰だって素人パイロットが操縦する壊れかけのオンボロ飛行機に乗る勇気はないでしょう。だって命が惜しいですもの。それと同じですよ。 上記コラムは、サンテレビ番組「き・れ・い」(金曜日 深夜 0:04〜13) |
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